女性ホルモンと疲労骨折
「女性選手は男性選手と比べ、長い時間、練習できる粘り強さがあります。でも、休んでしまうと、技術面での感覚を忘れていったり、すぐに筋力が落ちたりする。ですから毎日、毎日、継続して練習をしないと物にできない傾向があります。
また、筋肉量とパワーは比例するため、記録に直結します。体重が1キロでも落ちると、挙げられる重さは4、5キロ落ちる。また、減量するとどうしても筋肉が削られ、ケガにもつながるので、細やかに考える必要があります」
「当時、体重を増やさないよう食事もかなり厳しく制限していました。その結果、下半身の骨をケガしたり、筋肉の炎症を起こしたりとケガが増え、栄養も十分に摂っていなかったので治りも遅かった。
この競技は重い重量を挙げ続けるので、やっぱり疲労骨折をする選手がすごく多い。現に56%の選手が骨やそれに関与するケガをしています。
女性選手は体脂肪が減りすぎると月経が止まる原因にもなり、月経が止まれば、疲労骨折の原因になります。だから脂肪が減りすぎないよう、注意しています」
「女性が本当にいい練習できる期間って、生理後の1週間~10日間しかないんですよね。限られた時間を大切にしないと、競技力の向上も難しくなるのでは、と思います。
一方、調子の悪い時期に練習量を落とそう、と言いすぎても、強化につながらない恐れがあります。競技者には、追い込まないといけない時期もありますし、どこまでできるかできないかを見極めながら、指導していきたいですね」
女性選手の特徴と月経によるパフォーマンスの葛藤をわかりやすく伝えておられるなぁと思います。
女性はホルモンの影響を大きく受けるため、減量することによる怪我のリスクは大きいことを理解しておかないといけないです。
私も体重を落として、月経が止まり、疲労骨折をしている選手を何人もみています。
特に10代の減量を必要とする女子選手は、体重が増えてしまうから食べないと言います。
こうした現状に出会すと、怪我が起こりうる背景を理解してもらい、むやみに食べる量を減らす体重コントールではなく、筋肉を含む除脂肪量や骨密度を維持する体重コントロールがあることをもっと知ってもらう必要があるなぁと思います。
女性の疲労骨折に関しては
一、身体の使い方やケアの見直し
一、食事の取り方を見直してホルモンバランスを整える
ここを抑えていくことは重要です。
子どもたちにとって大人になるための身体を形成する大事な時期。
そこに大人が介入して環境をつくってあげることが大切だと思うので、
選手の心と体に耳を傾けたいと思います。
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